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「わたしがシャンペンに何を望むかと言えば、ひとえにそれを楽しむことに尽きるのです」とは、文豪ヘミングウェイの『日はまた昇る』に出てくる一節。まさにシャンパンの華やかさは、特別な時を彩るのにふさわしく、喜びのときにこそグラスを傾けたい飲み物。この発砲するワインを総称して「スパークリングワイン」と言いますが、シャンパンを名乗ることができるのは、フランスのシャンパーニュー地方でAOC(原産地呼称統制)という規格に沿って作られたものだけなのです。 |
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スパークリング・ワインとして有名なのは、もちろんシャンパンですが、同じフランスでもそのほかの地方産ならヴァン・ムスー、イタリアならスプマンテ、スペインはカヴァ、ドイツはゼクトと呼ばれるものがあります。これらは多くの場合、シャルドネ種という白葡萄、ピノ・ノワールと、ピノ・ムニエという2種の黒葡萄だけが原料として使用が認められていて(近年は他の葡萄が使われることもあるらしいですが)、その配合によって味わいが違ってきます。バブルの時代に流行したピンク色のシャンパンは、この黒葡萄の果皮を色づけのためにわずかに入れたり、赤ワインを加えたりして作られるものです。
華やかな時間を彩るものだからこそ、こだわりたいのはグラスと温度。細長いフルートグラスが使われるのは、その泡の立ちのぼりを目で楽しむため。また、その泡をより味わうために、一般的なスパークリングワインは、4〜5℃、複雑な香りのあるシャンパンはそれより少し高めの6〜8℃ぐらいが飲み頃の温度とされています。ちなみに、結婚式の披露宴などで見かけるシャンパンタワーは、演出の目的が違うので、フルートグラスを使うことはありません。
前出の『日はまた昇る』で「シャンパンには感情を交えない方がいい。せっかくの味わいがなくなってしまうからね」と登場人物に言わせたヘミングウェイは、白桃のピューレとスパークリングワインを混ぜたカクテル「ベリーニ」で、イタリアはヴェネツィアのバー“ベリーニ”を世界的に有名にしたことでも知られています。感情は交えずとも、新鮮な果物なら混ぜてもよかったということでしょう。
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エチケットの華やかさもスパークリングワインの特徴。メーカー名や味(辛口、甘口)などのほか、ワインなら普通に記載されるはずの年号が記載されていないものがあります。それは、シャンパーニュは、違う畑、違う品種、違う年のワインをブレンドするのが普通で、年号が特定できないからです。逆に極々優れた葡萄が収穫できた時に限り、単一のワインのみで作られる場合があり、それはヴィンテージ・シャンパンとして年号が記載されます。 |
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自宅で飲むほかに、贈り物としても使われることの多いシャンパンを買うときは、こんなバッグを選ぶのも楽しいもの。シャンパンに限らず、ワインメーカーでは有名デザイナーなどに依頼した素敵なデザインのワインバッグを販売しているケースがあります。季節限定、数量限定のものなどはやっぱり手に入れたくなるのが人情。見つけたらとりあえずチェック! |
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11月のボジョレーヌーボーからクリスマス、年末年始にかけてはシャンパンに限らずワインが一番売れる時期です。最近は一時のワインブームが落ち着く一方で、シャンパン、スパークリングワインといったいわゆる「泡もの」の輸入量が右肩上がりで伸びています。というのも、ブームのおかげでワインを飲み慣れた人が増え、何本か買ううちの一つとして「泡もの」を選択するケースが多くなっているからでしょう。おしゃれなイメージが定着してきているせいか、近頃では若い方が買って行かれることも増えています。 |
ワインショップ エノテカ
広尾本店 副店長 石川弘二氏 |
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赤・白・ロゼといった一般的なワインと比較するとスパークリングワインの味の違いは、かなり飲み比べてみないとわかりずらいと言えるでしょう。飲みやすいと人気なのは、甘みのあるタイプ。飲み慣れている方はドライなものを選ぶという傾向があります。辛口というと敬遠する方も多いのですが、泡の効果で飲みやすさが出てくるものです。ドライなタイプは料理にも合わせやすいですから、一般のワインで辛口は苦手という方も是非試してみて欲しいと思います。お店としては、まず予算をうかがい、味わいの好みがあればそれを、特にない場合は味わいの違いや作り手の特徴を何点か説明し、お客様の好みにより近いタイプをご案内します。
スパークリングワインが華やかな場面で喜ばれるのは、なんと言ってもあの泡のきらめきにあります。それを最大限にいかすためにも、ボトルを開ける際は注意を払いたいものです。上手な開け方としては、右利きの方はコルクを左手でおさえ、ボトルの方を右手で回すと圧力でだんだんコルクが抜けてくるので、最後は飛び出さないようにコルクを押さえるようにしながら抜くとうまくいきます。お正月などの和食を食べる際には、その泡のすっきりさがお料理をより引き立てます。スパークリングワインを合わせることで、また違ったお正月を楽しむことができますから、ぜひお試しいただきたいですね。
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取材協力:
ワインショップ・エノテカ 広尾本店
TEL. 03-3280-3634
Text by Kaori Hamanaka |
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