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チョコレートの持つ、不思議な魅力。それは、どんな人をも幸せにする力なのかもしれません。
『ショコラ』という映画には、そんなチョコレートの持つ不思議な魅力が描かれています。
冷え切った夫婦の間に情熱を芽生えさせたり、夫の虐待にボロボロになった女性を美しく変身させたり。登場人物たちのキャラクターに併せ、それぞれの悩みを解決し、日々の生活の滓(おり)を静め、凝りを操み解し、幸せに導いていく…と、まさに魔女が作る魔法の媚薬のよう。
映画の中だけでなく、その虜になってしまった人は数知れず。
高まるチョコレート・ブームの中、最近ではこれまで甘いスイーツとはかけ離れた存在とされてきた日本人の男性をも魅了してしまっています。
今回は、そんな媚薬を手にしてしまった3人の男性に、彼らの“チョコレート・ライフ”を語っていただきました。


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「“こそっと”味わう、秘密めいた食べ物」

本当に昔からチョコレートが好きで、お小遣いをもらえばチョコレートを買いに走るような子供でした。
それは今も変わりませんね。
もちろん、食に携わるものとして素材としてのチョコレートへのこだわりは人一倍ありますし、コンビニで売られているような大手メーカーの新作が出れば必ずチェックしてしまう。とにかく好きでしょうがない。
昔は、自分ひとりでこそっと味わう、どこか秘密めいた神聖な食べ物だったような気がします。結婚してからは、娘や妻と家族みんなで食べることが多くなり、今ではまるでチョコレートが家族の一員のような存在になりました。
もちろん家族と食べるあたたかさの詰まったチョコレートも好きです。でも、自分にとっての、最高の味わい方は、寝る前に食べるひとかけらのチョコレート。食べるのは決まって洋酒の入ったものなのですが、ベッドの上で妻に隠れてこそっと口に入れています。
口に入れ、「カプッ」と噛めば「ドロッ」と流れでる洋酒のガナッシュ。口に広がるチョコレートの甘みと洋酒の深みと香りが、疲れた体に染み入ります。そして、心地よい眠りへと誘う。これだけはやめられませんね。


「チョコレートとは、生き物である」

ショコラティエではないけど、チョコレートを心から愛するものとして、一人の料理人として、チョコレートに対する思いは深いです。
自分の店で使うものは、エルレイ社のベネズエラ産カカオ61%のものと決めています。焼いてへたらないチョコレート、そのまま食べても美味しいチョコレート。
チョコレートを食べるだけでなく料理の材料として使うようになってから、さらに魅力は高まりました。とにかく奥が深い。例えば、100種類のチョコレートがあれば、テンパリングの温度、湯銭の温度その全てが違ったり…。あんなにデリケートな素材はないですね。
作る側になってはじめて、「チョコレートとは生き物なんだ」ということに気づきました。


「食べた瞬間燃え上がるチョコレート。それが最高の味」

今まで出会った中で、最高だと感じたのは六本木「ル・ショコラ・ド・アッシュ」のショコラ。「どれが」ではなく食べるもの全てに感動しますね。オープン当時に、3時間並んででも買いに行きました。
辻口シェフといえば、言わずと知れた超有名パティシエですが、そういうこととは関係なしに素直に美味しいと思いました。
チョコレートを壊さない、というかチョコレートの本来持つ糖度を超えてないんですね。ピタッと止まっている。だからチョコの旨みや繊細さが生かされているんです。
食べた瞬間から燃え上がりましたからね。負けてられない、という思いもですが体中に活力が満ち溢れたんです。「チョコレートは昔、神の飲み物だった」と聞きますが、その言葉がぴったりと当てはまる味なんです。
メディアにも取り上げられることの多い有名店ですが、まだ食べたことがない人は是非行ってもらいたいですね。

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今回取材させていただいた谷口シェフのお店、「アブソルートゥリーTetsu」。
かわいらしいインテリアで飾られた、アットホームな雰囲気漂う温かみのあるお店です。
バレンタイン、ホワイトデー期間にはシェフこだわりのチョコレート・メニューも登場予定。


アブソルートゥリーTetsu
〒170-0062
東京都港区南青山1−19−7 クラインシュロス101
TEL 03−5770−6228

◆プロフィール
谷口 哲也
2001年より、「アフタヌーンティ ベイカー&ダイナー」のシェフとして活躍。
昨年独立し「アブソルートゥリーTestu」をオープン。
英・料理人ジェイミー・オリバーとコラボレーションするなど活動の幅は広い。


「異国の地と自分とを繋げるために・・・」

旅ですね。僕の場合は、異空間、非日常的な空間で食べることが多い。
「イタリアへ行けば必ずバールでチョコレートを飲む」というような感じに、行く先々で食べていますが、中でも思い出深いのはトルコですね。
イスラムの世界では、甘ったるいお菓子とチャイを飲む男がかっこいいとされているんです。だから甘いお菓子やチョコレートを売っている店がとにかく多いし、日本と違って男の人がお菓子屋に出入りする姿もよく目にする。
そういうトルコの街中の、地元の人しか来ないような汚い小さい店でチョコレートを買って、街の男たちに紛れて食べましたね。これでもかってくらい甘いチョコに、甘いチャイ。絶対日本じゃ考えられないんだけど、「郷に入らば郷に従え」。
そうすることで見知らぬ土地やそこに住む人と繋がった気がするんです。それがおもしろい。
チョコレートを通し、その国の文化を知るっていうことが、僕にとってはチョコレートの楽しみ方なのかもしれないですね。

◆プロフィール
手塚英貴 
東映CM 株式会社 チーフ・プロデューサー
宝くじやマクドナルドなど様々なCMを手がけ、海外賞受賞作品も多数。
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「幸せの時間が、さらに豊かになる瞬間」

仕事上の付き合いで食べることや、会社にいて疲れた時に口にすることも多いのですが、食事が終わって、ホッとした一時に食べるのが一番好きですね。
だから、家族と一緒で食べることが多いのかな。
昔は食べることなんてあまりなかったんだけど、妻が大のチョコレート好きで。それで私もよく口にするようになりました。
自分が食べるようになって感じたのは、女性がよく言う「チョコレートを食べると幸せになるの」という言葉って本当なんだ!ってこと(笑)。あんな小さな一粒なんだけど、何故か心身ともに満たされるんですよね。
子供や妻とテレビを見たり、話しながらデザートとして食べる。幸せな時間をさらに豊かなものにしてくれます。そして最後は、ウィスキーやスコッチで一人の時間を楽しみながら過ごす。
一人でも、大勢でも、その時々に合わせた楽しみ方が出来てしまうチョコレート。そういうお菓子って中々ないと思います。

◆プロフィール
吉沢尚志
日本料理店、イタリアン、中華、カフェなどで調理経験を積み、
企画開発、経営企画などの仕事に携わる。
現在は、フリーで店舗プロデュース、メニュープランニングなど多岐にわたる活動を展開。
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バレンタインデーも間近なこの季節。
街中がチョコレートで溢れています。日本人にとってチョコレートは、まだまだ女性や子供のための嗜好品や携帯食品のように認識されがちであることは否めません。
ヨーロッパでは、チョコレートが花束と同じぐらいプレゼントに用いられることも多いのですが、グラム単位で買って、抱えながら食べ歩くといいます。そして、それは女性だけでなく男性も同じ。
最近日本では、高級チョコレートからコンビニで買えるお手軽品まで、実に様々なチョコレートを見かけるようになりました。これからは、もっと気軽に、幅広く自分の生活の中へチョコレートを取り入れていけるようになると思います。
単なる嗜好品ではないチョコレートの楽しみ方、あなたらしいチョコレート・ライフを見つけてみてはいかでしょうか?


Interview & Text by Eri Kadono
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