オリーブオイルの魅力とは、何と言ってもその味と香り。
私が、オリーブオイルテイスターを志した理由もそこにあります。サラダオイルなど、徹底的に香りや味を無くすオイルをつくることをしていた中で、オリーブオイルに出会った時は衝撃的でした。
香りを持つオイルという新しさと、自然の恵みのつまったおいしさにすっかり魅了されてしまいました。その芳醇な香りは、心を潤してくれるのです。
勉強をし始め、さらにその奥深さを知りましたね。ワインのように、産地、品種などによって味も香りも全く変わる。益々、興味を持ちました。
自然の旨みが凝縮されたオリーブオイルには、私たちの体にやさしい成分がたくさんつまっています。
オリーブオイルに含まれる成分は、ビタミンE、ポリフェノール、クロロフィルやカロチンなどです。どの成分も含有量としてはとても僅かなのですが、それら栄養素はどれもきわめて良質なものばかりです。
代表的なものがビタミンE。老化の原因となる「活性酸素」を抑える栄養素なので、女性にはうれしいオイルですね。
また、オリーブオイルはオレイン酸を豊富に含んでいるのが特徴です。オレイン酸は悪玉コレステロールを減らし、心疾患や脳疾患を予防する働きをもつことはよく知られています。
また、オレイン酸は自然のスキンケアオイルにもなります。通常健康な肌から分泌される皮脂には「トリグリセリド」という成分が60%含まれています。この成分こそがオリーブオイルのオレイン酸「オレイン酸トリグリセリド」。そのため肌によくなじみ、角質のうるおいを保つ細胞間脂質(セラミド)を補います。オリーブオイルを塗ることで肌の乾燥や荒れが改善され、しっとりつややかな肌を保つことができるわけです。
肌や体にハリと潤いを与えてくれるオリーブオイル。自然から生まれた、身体へのギフトといえるでしょう。
オリーブの実をギュッと絞ってつくるオリーブオイルは、まさに天然オリーブ100%のジュース。そこで、何よりも大切になってくるのは、そのフレッシュさです。
賞味期限は1年〜1年半くらいとされていますが、早ければ早いほど本来のおいしさが味わえるでしょう。
またワインのように熟成させないオリーブオイルは、摘む時期によって味わいに変化をつくります。より香りを楽しみたい場合は、早摘みのオリーブで作られたオリーブオイルがお勧めです。オリーブの持つ、青々とした香りと爽やかさが感じられます。
逆に熟したオリーブには、マイルドな深い味わいがあります。スペイン産のオリーブオイルにはこのタイプが多いですね。
お好みによって選んでいただきたいと思います。私個人としては、日本人には早摘みのタイプがおすすめです。
日本にオリーブオイル・ブームが上陸して、10年ほど経ちます。
しかし、いまだオリーブオイルといえばイタリア料理、と結び付けてしまう方が非常に多いのが現状。確かに、日本人におなじみのイタリア料理には、オリーブオイルは欠かせません。ですが、「○○料理には…」と身構えるのではなく、もっと身近なものとして考えていただきたいですね。醤油や味噌、塩などのように、「食卓に欠かすことなくある調味料」としてオリーブオイルと付き合ってみて下さい。
日本人は、もともと味覚や嗅覚に優れた人種です。コツさえつかめば、もっともっと自然に様々な料理と組み合わせていただけると思います。
今回は、お子様とお年寄りに向けた楽しみ方をご紹介しましょう。
まず、お子様のいる家庭では香りの少ないピュアタイプのオリーブオイル。
オリーブオイル独特の香りも少ないうえに、揚げ物などに加熱調理に適しています。サラダオイルで揚げるよりもさっぱりとしているので大人の方にも好まれます。
また、バターの代わりとしてオリーブオイルを使っていただきたいと思います。最近、小学生の肥満が増加傾向にあるといわれています。オリーブオイルのような良質の脂質は、バターなどに比べてヘルシーです。
カレーを作る時など、バターで肉や野菜をいためるのではなくオリーブオイルにする。朝、パンにぬるバターをオリーブオイルに代える…など、日常的に取り入れていただきたいです。
そしてお年を召された方は、食事に油を使うことが減ってきていると思います。ですから、少量でも充分に香りと味が楽しめるものをお勧めします。
「ピエトロ・コロンビナ」など、お値段は決して安いとはいえませんが香りはバツグン。
そのようなオイルを白身魚をグリルしたものに。アジのホイル焼きに。
芳醇な香りと共にお召し上がりいただきたいです。また、こうすることで魚の身がやわらかく、食べやすくなります。
その他塩をかるくふった冷奴にかけるなど、和の食材と組み合わせてお試し下さい。
風味のよさに加え、体によい成分が豊富とあって、人気の高いオリーブオイル。
しかし、生活に浸透しているか、といえばまだまだです。
南イタリアなどへ行くと、ワイン同様オリーブオイルが生活の一部になっています。オリーブオイルは調理から食卓用にまで使われる、ヨーロッパでは欠かせない食材です。南イタリアでは、赤ちゃんの離乳食からお年寄りまで、オリーブオイルぬきの食事は考えられないほど生活に密着。食卓を飾るおいしいオリーブオイルは家族の笑顔と健康をつくる源なのかもしれません。
ここ数年、日本でも健康ブームが騒がれています。自然の力で生み出されたオリーブオイルと親しむこと。オリーブオイルのある暮らしは、きっと私たちに潤いをもたらせてくれるでしょう。■
◆プロフィール
鈴木 俊久(すずき としひさ)
2002年11月に日本ではじめて国際オリーブオイル協会(International Olive OilCouncil:IOOC)からオリーブ・オイル・テイスティング・パネルのカンパニーパネルとして認定を受けた。国際オリーブオイル協会とは、スペイン・マドリッドに本部を置き、 国際取引基準の策定、技術協力、生産プロセスの改善、品質の保護・改善、知識普及、モニター調査、国際協力体制の強化などを実施している団体。加盟国は、イタリア、スペイン、ギリシャ等のEU諸国の他、アルジェリア、クロアチア、エジプト、イスラエル、ヨルダン、レバノン、リビア、シリア、チュニジア、イラン、モロッコ、セルビア-モンテネグロの国々。
(BOSCOのホームページより抜粋
http://www.bosco-olive.com/taste/index.html
)
協力 日清オイリオグループ株式会社 (
http://www.nisshin-oillio.com/
)
Interview & Text by Eri Kadono
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