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私は以前、アパレルの仕事をしていた関係で、海外に行く機会が多くありました。また、加えて旅が好きでしたので、様々な国を旅行して回っていたんですね。そこで目の当たりにした途上国の現状。当たり前のように過ごしていた日本での日常が、実はとても恵まれているということに気づかされました。それからですね、「世の中の為に私が出来ることとは…?」と考えるようになったんです。
日常の生活の中で、その「何か」を探し、まずは様々なNGOでボランティアを始めました。そこでの経験から、地球上にあふれる、貧困や環境など様々な問題の根源は、1人1人の“食を通したライフスタイル”にあるのではないかという風に思うようになりました。


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特に「フィンドホーン」との出会いは、ECRUを始める大きなきっかけになりましたね。
フィンドホーンは、スコットランドのケルト地方にあるNGOのコミュニティです。そこで経験した食のスタイルが、今の基盤になっています。
自分たちで食べるものは全て自分たちで作る、自給自足の生活。一つ一つ愛情を込めて育て、心を込めて料理をする。食べる時は、育ててくれた人や料理をしてくれた人、食べ物そのものに深く感謝をしながら、仲間とシェアをする…。
初めてフィンドホーンで食事をした時、身体中にエネルギーがみなぎっていく感じがしました。
私は食べることが好きなので、それまでも一流と呼ばれるお店でよく食事をしたりしていたのですが、一流店で味わう美味しさとは違う、生命力溢れる、力強い美味しさを感じたんですね。
その瞬間、「これだ!」と思いました。「自然と協調した食。自然を思い、食材やそれを食する人を思う―全ては意識・エネルギーで繋がっている。これこそ、私が伝えたいことなんだ」と。


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帰国後、“食から始まるオーガニックなライフスタイル”をより多くの人に知ってもらいたい、と思い、ECRUを作りました。情報交換の場や、衣食住全てに関われる場にしたかったので、まずはカフェというスタイルをとりました。
しかし、オープンした当初(1998年)は、「オーガニック」や「マクロビオティック」という言葉を殆どの方が知りませんでした。もちろん、オーガニック系の飲食店や自然食品店は、日本にも当時からありましたがイメージがあまりよくありませんでしたね。

その理由として、ビジュアル面の問題があったと思います。「身体によければいい、内容がよければいい」という事が一番で「おいしさ」や「楽しさ」という感性の意識が欠けていましたね。ですから当時は、「オーガニック」や「マクロビ」というとどうしても味気なかったり、質素な感じになってしまう。言葉を悪く言えば地味で、気にも留めてもらえなかったんです。
そのため一番の課題は、いかに魅力的にプレゼンテーションするか、ということでした。
一部の興味ある人が対象ではなく、どうしたら誰もが興味を抱いてくれるか、美味しいと感じてくれるか、ということばかり考えています。私自身、デザインは生活の一部。海外で出会った素敵なオーガニック・スタイルを参考にしながら、一つ一つ自分の納得のいくものを作り上げていきました。


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始めた頃は苦労もありましたが、世界がナチュラル志向になっているせいもあってか、多くの方に受け入れていただけるようになってきましたね。特に、ここ2、3年で、状況は大きく変わりました。
ブームのようになり、今では「オーガニック」や「マクロビ」という言葉を知らない人はいないと言えるでしょう。しかし、日本ではまだまだ「ブーム」止まり。生活に根付いてる、とは言えません。

その点で言うと、素晴らしいと感じたのは、一昨年訪れたイタリア。ファッション、グルメ、様々なトップレベルの文化を持ち、世界の先進をいく国であるにもかかわらず、自分たちの食文化や伝統を守り続けています。もちろん国民の意識の高さもあると思いますが、国の姿勢がしっかりしていて、伝統的な食文化を国が守っているんですね。
例えば、イタリアにはチェーン展開するファストフード店がほとんどありません。国が出店を規制しているからです。

日本は残念ながら、そうではないですよね。あらゆる便利な食文化をどんどん取り入れていくばかり。その結果、氾濫した便利さの中で、便利が当たり前になり、工夫することや自分で考えることが判断できなくなっていく。すごく怖いことだと思います。
時に大きな力による規制は必要です。それがなければ人は楽な方へと流されていきますから。


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今後、ますますオーガニック・スタイルは広がっていくと思います。一過性のブームではなく、生活の基盤に根づいていくもの、として。
ECRUは、単なるカフェにとどまらない、ナチュラル&オーガニックな生活を発信していくコミュニティースペース。私が、日頃意識する「オーガニック」とは「食」だけではなく、ライフスタイル全体を意味しています。
日本という便利な社会システムの中で生活していくことは、一見全てが満たされているようにみえますが、実は心も身体も傷つき、空っぽ。現代社会の様々な問題や病気は、そんな状況に対し、警鐘を鳴らしているのだと思います。

私が考えるオーガニック・スタイルとは、人と地球、つまり私達を取り巻く様々な環境と共生した生活をすること。自分の周りの人たちや環境のことを、常に思いやる気持ちが持てたらいいですよね。日常の行動、ひとつひとつが環境や貧困に繋がっているとしたら、人は意識すると思います。

「FOOD(食)」と「HEALING(癒し)」、「FEELING(感性)」。これらが合わさった「FOODing PROJECT」をECRUから発信していきたいと思います。そして、大きな変革への小さな一歩として踏み出すきっかけになる場にしていきたいですね。■

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  060426_01_08.jpg natural & organic ECRU
〒225-8555 神奈川県横浜市青葉区美しが丘1-7 たまプラーザ東急SC2F
TEL 045-903-2057
営業時間10:00〜20:00(L.O.19:30)
不定休 (たまプラーザ東急SCに準ずる)
http://www.cafe-ecru.com/

◆プロフィール
セレナ☆野田治美
(有)エクリュ代表/クリエイテイブデイレクター
オーガニックカフェエクリュ(たまプラーザ)
ロハスデザインオフィス&サロン(葉山)
ライフスタイルコーディネイトやデザイン関連は「セレナ」として、
様々なロハスやヒーリングプロジェクトを展開中。
著書:エコクッキングレシピ本『べジタブルラバーズ』ジュピター出版


Text by Eri Kadono
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