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自然界に天然のものとして存在しないガラスは、素材そのものが人の知恵と技によって生み出された創作物だ。その不思議なやすらぎをもたらす透明な物質に魅了され、人は、そのガラスを駆使し、種種様々なフォルムを作り、装飾を加え、形あるものに表現しようとしてきた。ガラス工芸は、長い歴史の中で、人が創り上げた科学と感性の美しい結晶なのである。
そのため、一口にガラスといっても、工芸としての分野は広く、その技法にも歴史的なものから現代技術より生まれたものまで様々だ。工業化が進んだ現代では、機械により量産されることも多い。その中で、人の手で創造するガラスにこだわり、つくり続けているのが、九十九里にあるスガハラガラスである。


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「1つ1つハンドメイドで作る、そのために人の心と感情が込められているのがスガハラガラスの大きな特徴でしょう」。
と、語るのは、菅原ガラス工芸株式会社の専務を務める菅原裕輔氏だ。
スガハラガラスで用いられているのは、主にホットワークという技法である。1200度に熟した液体状のガラスを吹棹に巻き取り、息を吹き込んでいく宙吹き、型吹きという作業も、不要な部分のカットや研磨、ロゴをつける作業も、ひとつひとつ人の手によるハンドメイドでされていく。綿密で正確で素早い手の動きは、まるで魔法を見るかのようだ。

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現在、スガハラガラスでは、35名ほどの職人がいるが、責任ある作業を手掛けるようになるには平均10年は必要だという。その妙技を体得するのにも、至難の業だが、スガハラガラスでは、製品のデザインも職人自らが考えている。
「息を入れるタイミング、強弱、その他色々な細工の仕方、ホットワークの作業によってガラスは多様な表情を見せます。その変化の瞬間をどのようにコントロールするかによってできあがる作品も全然違ってきます。ガラスは絵からは生まれません。ガラスの本質を知る職人がデザインを手掛けることで、他の素材では出せない、ガラスならではの表情が出せるのです」。

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無機質な物質から、ひらめきを表現する熟練の技によって、表現豊かなアートへと昇華したガラス。一度手にすると、ガラス特有の清涼感のある美しさに加え、機械では表現できない独特の表情を持つ、スガハラガラスの虜となる人は多い。製品の幅は驚くほど広く、卓上ランプやテーブルといった大物から、グラスや花瓶、灰皿といった小物など、様々な製品が作られているが、スガハラガラスの原点は、食器にある。
特に、10年前に発表された「DUO」というグラスは、不動の人気を誇る、スガハラガラスの象徴的な作品である。しかし、最近では、器への注目も高まり、日本料理、イタリアン、フレンチとジャンルを問わず、多くのプロ料理人が、スガハラガラスの器を求め訪れるという。

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「器は料理の着物である」。
陶芸や書、絵画などで才能を開花させ、同時に、美食家としても知られる北大路魯山人が残した言葉である。着る物が変わればその人の雰囲気も変わるように、どの器にどのように盛り付けるかで、料理の印象もガラリと変わる。美しく、個性的な器は料理を引き立て、目を楽しませてくれる。
ガラスの器も然り、だ。透明なガラスの器は、いわば光の器であり、その清らかな美しさに包まれた料理は、輝きときらめきを増し、光が生む微妙で不思議なうつろいは、料理に様々な表情を与える。また、ガラス特有の透明さは、料理のプレゼンテーションに広がりを与える。アンダープレートやクロス、テーブルなどインテリアのカラー、それらが全て、ガラスを通し、器へと変わり、食する者の目を楽しませてくれる。


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「本当に様々な方に、スガハラガラスの製品を手にしていただいていますが、最近は特に、フレンチのシェフからオーダーが入ることが多いです。日本だけでなく、本国フランスからも受注を受けています」。
こうしたことを受け、最近では、化学的強化を施したガラスの研究が進められている。
また、今後、力を入れていくのは、インテリア製品で、テーブル、電気スタンド、鏡、そして壁パネルやドアノブなど、その広がりに限りはない。「トータルな展開をしていくことで、多くの人の日常にアートを届け、さりげない贅沢感を味わってもらいたい」のだそうだ。

光の美への追求をやむことなく、「人々の生活を楽しくする」ガラス作りをテーマに、時代の変化に即しながら前進をしていくスガハラガラス。それぞれの製品が放つ、清らかな光は、私たちの日々の生活に華を添えてくれるであろう。

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菅原工芸硝子株式会社
〒283-0112 千葉県山武郡九十九里町藤下797
TEL:0475-76-3551 FAX:0475-76-3553
http://www.sugahara.com/

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Text by Eri Kadono
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