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厨房の芸術家と呼ばれる、ピエール・ガニェール。
93年にサンテ・ティエンヌでミシュラン三ツ星を獲得。その後、レストランは閉店するも、パリに場所を移し、ホテル・バルザック内に開いたレストランが98年に再び三ツ星を獲得した。以来、今日に至るまで星を守り続けているスターシェフである。

三ツ星シェフの中でも、エレガントでアーティスティックな料理人と名高いガニェールは、あらゆる料理からエッセンスを吸収し、それらを直感とインスピレーションで皿の上に再構築し、表現していく天才的料理人。物理科学者のエルヴェ・ティス氏と組み、新たな調理技術として注目されている「分子ガストロノミー」を取り入れ、複雑な食材を組み合わせた発見と驚き溢れる一皿を創造する。


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力強さとコクのある1品。
鳩の味は、グリルした茄子とビーツの味との相性がよい。


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フランス料理界のトップに立ち、革新を与え続ける彼が、ロンドンに次ぐ海外展開として、アジア初上陸を果たしたのは2005年のこと。その舞台として選ばれたのは、東京だった。
世界中のモノ、ヒト、コトが交差する、コスモポリタン都市・東京。
日々進化し、新しさを発信し続ける東京は、ガニェールの料理を想像させるにふさわしい。

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その中でも、有数のブランド店が立ち並ぶ、上質でリュクスな輝きに満ちる街、青山に「ピエール・ガニェール・ア・東京」はある。

ビルの4階に位置するレストランへエレベーターで向かう。
青山を一望できるガラス張りのエレベーターは、別世界へと私たちを誘うプロローグ。上昇とともに、これから始まる美饗への期待感は高まりを増す。
エントランスを抜け、メインダイニングへと足を踏み入れると、そこに広がるのは茶とオレンジをメインに構成された上品な色合いの空間。シルクを纏ったシャンデリアが幻想的な光を点す。モザイクタイルの内壁や絨毯には「波紋」を表す円が描かれ、それに合わせるようにテーブルは丸いデザインである。内装デザインは、フランス人デザイナーのクリスチャン・ジオン。シックでスタイリッシュ。でも、肩肘を張らなくてもいい。そんな、心地のよいカジュアルさが感じられる。


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ガニェールは東京への進出に当たり、「フランス人の私のエスプリを残しながらも、パリで提供する料理の再現ではなく、日本の文化や伝統、食材を学び取り入れたい」と語った。
その言葉が表すよう、メニューへ日本の食材が多用されることはもちろん、スタッフのほとんどを日本で採用している。
その中で、ガニェールの哲学と技術を継承し、シェフとして腕を振るうのが、若干28歳のオリヴィエ・シェニョン氏である。オリヴィエは、「ピエール・ガニェール・ア・東京」のオープンとともにシェフ・エグゼクティブに抜擢された。ロンドンの「スケッチ」を経て、来日までパリの「ピエール・ガニェール」のシェフ ド パルティを努めていた。ガニェールのもとで学ぶ前も、タイユヴァンをはじめ様々な星付きレストランで研鑽を積んだ人物である。

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ガニェールの料理とは、「新鮮な驚きに満ちた、革新的なフランス料理」だと、オリヴィエは語る。伝統的な料理を中心に学んできた彼にとって、枠に囚われない、創造的なガニェールの料理はまさに革新的なものだった。
その1つは皿数の多さだ。アミューズだけでも数皿に及び、コースを終える頃には20皿を越える料理と出会うこともある。しかも、その1つ1つに主張があり、遊び心に溢れている。
「通常は、前菜、メイン、デセール・・・と、それぞれが1つのお皿の中で完結されます。しかし、ガニェールは違う。その一皿をさらに分解してしまうのです。メインだけでなく、付けあわせ1つとっても複数のストーリーを作り上げます。そして、それらを口にした時、全体の味が混ざり合うのではなく、1つ1つの料理がブロックのように組み合わさり、単体として残りながら、1つの大きな作品として組み立てられていくのです」。



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とても軽く、テクスチャーの味の違いを感じつつ、
口の中にさわやかさをもたらす1品。


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そして、“厨房のピカソ”という異名のごとく、“奇抜さ”はガニェールの料理を語る上で欠かせないキーワードである。食材の組み合わせ、スパイスやハーブの使い方がとても複雑であり、食する者たちを不可思議な味覚世界へと引き込む。
「ガニェールの独特な食材の組み合わせには驚かれる方も多いでしょう。味だけでなく、テクスチャー(食感)の違う食材を混ぜることもガニェールの得意とするところです。想像を超える組み合わせは、確かに一見すると“奇抜”です。ですが、それらが見事にマッチし、完成する料理は実に“シンプル”で“エレガント”なのです」。

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既存の考えに囚われないガニェール。たった1つの食材からも、無限の料理を生み出す。やむことのない改革と発展。そのエスプリと哲学を、フランスから離れたこの地、東京で表現してくことはたやすいことではないだろう。
そのために必要なのは膨大な知識なのだという。「ガニェールの複雑かつ繊細、デリケートな料理を忠実に表現するには、食材や料理法に関し様々な知識が必要。私はそれに応えるための基本的な知識を持っています。しかし、彼はメニューを2、3ヶ月毎に変え、時に即興的にメニューを変化させるので、常に勉強を怠ることはありません」と語り、そして、「知識こそ、今自分の持つ最大強みなのです」自信に満ち溢れていた笑顔で付け加えた。



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ガニェール自身が年に4回ほど日本を訪れ、メニューを監修する。時にオリヴィエが提案することもあるそうだ。日本食材で興味のあるものを伺うと、「山菜や和牛」という答えが返ってきた。ガニェール同様、研究熱心で勉強家の彼であるが、まだ自身の料理に関しての答えは見つけ出せていない。「偉大な料理人の影響を受けてしまうと自分のスタイルを作り出すのは難しいですね。でも、今は、いかに師であるピエール・ガニェールの味をそのままに、日本の皆さんへ届けられるかというのが自分の課題であり、目標です」と語る。
若干28歳の若きシェフ、オリヴィエ・シェニョン。これから発展し、成長していく存在だ。10年後、20年後にどのようなスタイルで、ガニェールのエスプリを表現してくれるかが楽しみである。

ピエール・ガニェール・ア・東京
住所:東京都港区南青山5-3-2 南青山スウクェア4F
電話:03-5466-6800
営業時間:11:30〜14:00(L.O) 18:00〜21:30(L.O)
定休日:日曜・祝日・夏季・年末年始1週間

http://www.pierre-gagnaire.jp/

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