しかし、そこからが彼の本当の意味でのスタートだった。キャビアの名店「ペトロシアン」をオープン。そこでは、パティシエとしてだけでなく、シェフとしてもその才能を発揮。オープンからわずか1年で、星を獲得。デセールはもちろん、料理でも高い評価を受けた。
「最初につくった料理は、サーモンのソルベ。ハイビスカスとビーツのジュレを使って作りました。菓子ではなく料理を作ることも、私の中では自然なこと。ソルベやジュレ、私の料理は、あくまでも製菓のテクニックを使った料理ですから」。
製菓のテクニックで料理へアプローチをする。単にそれは、彼がパティシエ出身だからという理由ではない。「テクニックは味を演出するための道具に過ぎない」と語るよう、フィリップ・コンティシーニにとって、何よりも大切なのは「味」なのだ。そこに料理や菓子という境はない。
自分の思い描く味を作り出すためならば、どんなテクニックであろうと関係ないのである。これが彼の哲学だ。 |