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Cafe Eight President Kiyono Reiko

野菜や穀類に対する・・・


Reiko Kiyono

私にとって食はコミュニケーションツールと言えます。しかし、このツールが外食にいくと極端に限られるのです。私は生まれながらにして肉や乳製品などの動物性食品を受け付けない体質、今でいうベジタリアンでした。そうなると一緒に行く人も気を使うし、自分も無理や我慢を強いられることが多くなります。そこで自分で料理を作り、人をもてなすようになりました。事務所に集まって宴会、毎回人が人を呼び、野菜メインの料理を振る舞いました。とはいっても、訪れた人には喜んでもらいたい、だから肉や魚も使います。その日のメンバーを思い浮かべながら、一人で料理を作ります。

いつしか“割烹 きよの”と呼ばれるようになり、参加メンバーの輪が広がっていきました。そして、そんな参加メンバーの一人に、カフェをやらないかと話をもらった、それがCafe Eightのはじまりです。


Cafe Eight

カフェをやらないかと声をかけてくれた人物は、私に「清野さんだったらどんな店をやる?」そう問いかけました。
私は即答で「ビーガンカフェをやりますね」と答えました。
それが面白いと受け取ってもらえたことで、ビーガンカフェをやることになったのです。

なぜビーガンか。それが一番自分のライフワークにあっていて、自信があったから。
私にはシェフの経験がありませんでした。だからこそ、自信を持って提供できるといえるのがビーガンでした。
シンプルでいい、ただ自分の自信があることを胸を張ってやっていこうと思ったのです。
女性として、男性にはない感覚の飲食店、空間・音楽・料理・インテリア…そのすべてをCafe Eightとしてブランディングするような思いでスタートさせました。

デザイナーとしての仕事と、飲食の仕事、一番の違いはお客様の反応です。何かをデザインしても、その反響がすぐ目に見えて返ってくる世界ではありません。しかし飲食という仕事はすぐに反応が返ってくる。
ある意味デザインに比べ飲食はすぐに評価が出るから、スリリングで緊張感があり、シビアなクリエイションだと思います。


カレー パスタ スイーツ


オープン当初、ビーガンやオーガニックというワードはふせてはじめました。
8年前にこれらのワードは一般的に耳慣れないものでしたから、飲食店としてはある意味ネガティブな要因でもありました。
人は時として、言葉の響きで先入観を抱きがち、偏見を持ってほしくなかったのです。
だからこそ、お店で働いてくれるスタッフとは何度もディスカッションしました。
ビーガン≠自然食・健康食だということ。私にとってビーガンは飲食店としてのエンターテインメントだと考えているからです。
だからこそ、甘いものは甘く、スパイシーなものはスパイシーに。ビーガンというハンディキャップを補う演出がサービスであり、盛り付けであり、味であり、プラスαでインテリアやユニフォームというものも重要です。
遊びが大好き、昔から海外旅行に行くことが楽しみなのですが、行くたびに日本と食の世界が全く違う、中でもNYからの刺激が一番大きかったように思います。
10〜12年程前のNYは訪れるたびに驚きがありました。様々なジャンルの食があり、エンターテイメント性がある飲食店が多い。このエンターテインメントというのが何よりの刺激でした。それこそトータルコーディネート、空間・音楽・食…そのすべてが新鮮でした。
NYに限らず、日本と海外との一番の違いはカスタマイズにあります。海外のサービスはゲストのイレギュラーなリクエストに応じてくれる、そんな余裕のあるサービスがうれしかったですね。
その時に受けた、一人ひとりをもてなす感覚、それをCafe Eightに取り入れたかったのです。


Cafe Eight外観 Cafe Eight店内


エンターテインメントをデザインする

デザインも食も同じ。誰が買うものか、誰が食べるものか。その人のことを思って考えるということに関しては共通のことだと思います。
食でいうクリエイションとは、デザインフォルムのような見た目の美しさとはちょっと違うと考えています。
私の考える食のクリエイションは、その人のことを思いながら作るということ。
だから例えメニューが納豆と味噌汁とごはんであっても、ニーズにマッチしているのであれば、それはデザインであり、クリエイションです。
相手のことを思い、喜んでもらうための食のシーンを演出するトータルプロデュース、それが私の考える食のエンターテインメントです。

菜食主義、ベジタリアン、マクロビオティック…今だからこそ、日本でも聞きなれるようになりましたが、これもここ数年の出来事ではないでしょうか。
彼女の食に対する考え方は、人の持つ温かみをスパイスに、ビーガンというエンターテインメントをカフェ、そしてお店のメニューをレシピブックにして出版も手掛けるなど、様々な方法で表現するメッセンジャー。
小柄な清野氏ですが、趣味はサーフィンとアクティブ。仕事もプライベートも、毎日を楽しむ彼女の生き方そのものが魅力的です。


有限会社ダブルオーエイト/有限会社カフェエイト
代表取締役 清野玲子氏
http://www.cafe8.jp



Text by Yuri Suzuki
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