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Oh! la vache(オ!ラ ヴァッシュ) chef, Hideya Nagai

契約農家から…


永井 秀弥 氏

茨城県内の高校卒業後、東京とフランスで調理を学ぶ。その後小田原のフレンチレストランで1年半、続いて神戸のフレンチレストランで5年働く。そしてパリへ渡り、1つ星レストランで1年、ステラマリス(現1つ星レストラン)で2年働く。その後アトランタで1年、NYのDjangoで3年働く。
奥様の潤子氏はパティシエとしてステラマリスで研修後、アトランタで1年、NYに渡りDjangoで1年、アランデュカスで2年働く。そして2007年、2人は『Oh!la vache』を作り上げた。



食材のバリエーション

永井氏に完璧なレシピはない。野菜、肉、魚、調味料を国内外問わず幅広いルートから調達する。
魚介のサラダには、佐賀産のプッチーナ、兵庫産の辛子大根の種、紫からしの水菜、ピンクロッサ、水前寺菜、つくば産の赤トマトとインゲン、高知産の黄色トマトの合計7種の野菜があしらわれている。
2種のソースのうち、バジルソースのバジルはつくば産、タプナードソースの黒オリーブはギリシャ産と、世界を食材の宝庫としている。
しかしシェフでも逆らえないもの、それは悪天候によって不漁となった天然魚。台風の影響を受けて、今回は急遽フランス産のサーモンを使用した。柔軟に代用の食材を起用し、それを何もなかったかのように、個性ある野菜たちとなじませる・・・シェフのセンスに圧巻させられる。


イベリコ豚舌の煮込み 魚介のサラダ
イベリコ豚舌の煮込み−イベリコ豚の舌、イベリコ豚のチョリソー(スペイン)、ミニ人参、ミニ大根、カブ、トマト、おくら、サヤ付きベビーコーン(つくば)、アスパラ・ソヴァージュ、バスク唐辛子(フランス)、グリーンアスパラガス(長野) 魚介のサラダ−サーモン(フランス)、プッチーナ(佐賀県)、辛子大根の種、紫からし水菜、ピンクロッサ、水前寺菜(兵庫)、赤トマト、インゲン、バジル(つくば)、黄色トマト(高知)黒オリーブ(ギリシャ)


食を演出するコンダクター

多種の野菜は互いに個性を引き立てながら、一枚の皿上で華麗なハーモニーを奏でる。
指揮を執るシェフは野菜に対し、そのまま、「茹でる」或は「焼く」などの調理法により差異をつける。さらにピンクペッパーや燻製の塩、プッチーナが含む塩分が、もともと野菜の持っている特徴にスパイスを効かせる。
そして風味豊かなオリーブとバジルの2種のソースが、奥行きのある味へと誘う。
食する側は、彩り豊かな食材を一つずつフォークで刺しながら、「この野菜は何だろう」と気を留め、口に入れた瞬間に嗅覚までも刺激する風味と味わいは、「おいしい」という感動に浸らせる。
この食べる者が持つ五感への作用が、シェフ永井氏のテクニックなのである。

燻製の塩と活性炭の塩
燻製の塩と活性炭の塩
佐賀県産プッチーナ
佐賀県産プッチーナ


料理人としての心得

春玉葱の冷たいスープ
春玉葱の冷たいスープー透き通ったトマトのジュレ、春玉葱のスープ、牛乳のアイスクリーム、シソの新芽、サマートリュフ

「やっぱりバランスですかね…」自然体の永井氏が話すニュートラルなコメントに戸惑う。なぜなら想像していた、パリとNYの「食」の王道を駆け巡った人物像とはギャップがあるからだ。
しかしそのニュートラルな姿勢だからこそ、フランスとNYの食文化のいずれかに偏ることなく、それぞれの食文化の良さに、日本の食材の良さを融合させた永井氏のスタイルが確立されている。
永井氏の説明によると、伝統的なフランス料理が今の基軸となっているそう。フランス料理の、食材がもつ旨味同士を掛け合わせて一つとなった複雑な味。
そしてNYの、食べる者を''wow''と驚かせるダイナミックな盛り付け。
その2つの食文化を掛け合わせるととんでもないことになりそうだが、バランスを保ちながら自分のスタイルとして活かすことが、永井氏の言う「バランス」であることに違いない。



チームワーク

コース料理のフィナーレを飾るおもてなしを、産休中の潤子氏に代わってパティシエ中村貴志氏が舵を握る。
2色のメロンを彩り豊かに使ったタルトの中には、爽やかなオレンジ果汁のクリームと、ビターなショコラのフィヤンティーヌが合わさった奥深い味わいがある。そこから分かることは、食材同士の駆け引きのテクニックを、永井氏同様、中村氏も実践しているということ。
スケールの大きいレストランで、前菜、メイン、付け合せの担当が細分化されているのに比べて、永井氏の料理と中村氏のデザートが同じ波動をもって最後につなげる。
永井氏が言う「バランス」の言葉は、食材だけでなく、「食」を作り出す者にとっても奥深い意味がある。

メロンのタルト
REPORTのページでレシピを公開>>Pick Up メロン


Oh ! la vache

Oh ! la vache スタッフ Oh ! la vache 店内
左から、中村貴士氏、永井秀弥氏、潤子氏、エメちゃん フランスから集めた絵が飾られた店内

秋葉原からつくばエクスプレスで40分のところに、Oh ! la vacheはある。
野菜を育てる人や環境が異なれば出来上がりも変わる。
さらには扱う人が変われば、野菜がみなぎるパワーも変わる。遠方に足を運んで、普段とは違った「食」の楽しみ方を体感してほしい。

フレンチ レストラン Oh ! la vache
茨城県つくば市竹園2−7−27 猪野マンション1F
Phone:029-860-2877 定休日 水曜日
http://www.ohlavache.jp
「小さいレストランですのでご予約して頂くと確実にお席をご用意できます。尚、10歳以下のお子様はご遠慮ねがいます」



Text by Kanae Kimura
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