F JAPON
FEATURE REPORT TOPICS KID'S NEXT FORECAST BLOG INFORMATION
forecast_main_070720.jpg


「食」の写真はロジックにあり。
僕の仕事と「食」は、パッケージ・ポスター・販促グッズ等の広告を制作する際に関わります。写真は、実際の料理の、音も匂いも味も伝えられません。あたかも「ジュッ」と音がしそうに、いい香りが漂ってきそうに技巧を凝らし、「美味しそう!」と思わせる演出=「しずる感」をどう表現するかが、一番のポイントになります。決して偶然やインスピレーションで撮るのではなく、光の当て方・色使い・サラダの葉一枚一枚の配置・水滴の数…数mm単位の緻密な計算をした上で、シャッターを切ります。本来の料理は、加熱し始めたらもう戻れないし、出来上がってからいかに早く食べてもらうかが勝負。一方で、料理写真は、戻ったり進んだりを繰り返し、ロジックを積み重ねて構築します。同じ「料理」なのに、目的が違うと全く作り方が違う。「美味しそう」なのに、実際は「食べられない」。そこが料理写真の矛盾でもあり、面白いところでもあります。
forecast_070720_02.jpg

広告は、一つでも多く商品を購入してもらうために作るものです。良い写真=「売れる」写真。広告プランナーを始めスタイリストや照明技師など様々なプロの仕事の集大成が、一枚の写真になる訳ですから、カメラマンの責任は重大で、撮影現場では監督やプロデューサー的な役割も担います。撮ってから、「企画意図と違う」となっては大変ですので、できる限りコンセプトをつくる段階から打ち合わせに参加させてもらい、商品が一番美味しく見えるアイデアを提案させてもらうようにしています。


身も心も被写体の気持ちが染み込む…。
写真を撮る際に心掛ける事。それは、被写体の本質を知ろうとする事です。被写体の良さを引き出すためには、その物の歴史や人の性質を知る必要があります。知って好きになる。好きになるともっと知りたくなる。すると身も心も被写体の気持ちが染み込んで来る。日本酒を撮る際は酒蔵に行き、海苔を撮る際は漁港に行きますね。行くと、そのモノを精魂込めて作っている職人さんの心にも触れる事ができ、自然とどう撮れば良いのかが見えてきます。と同時に、どう撮ったら自分らしい写真になるかを常に考えます。被写体を僕という人間全体で受け止めた上で、今度は自分のバックボーンや喜怒哀楽を素直に吐露する。僕の写真は、「被写体と僕の信頼関係」なのです。

「料理」は、相手が自分を思ってくれる事の表現力。

料理は、おもてなしの心。相手が自分を思ってくれる事の表現力だと思います。だから僕は、食べる事が大好きですし、幸福感を感じます。値が張る料理である必要はまったくありません。僕にとって一番大切なのは、作ってくれた人の顔、人間像です。気持ちがこめられた料理は、生き生きしていて美しい。仕事柄、日本各地を巡る事が多いので、その場、その人、その温度、取り巻く環境全て含めて、その時にしか食べられない料理に接する度に、幸せになります。そんな時は、自然とカメラを出して、思わず写真を撮ってしまいますね。
forecast_070720_03.jpg
撮影:斉藤氏
(レコールバンタン スタイリング実習 学生作品より)

◆斉藤氏おすすめのSHOP ≫ ダイニングバー卯門(ウモン)
渋谷駅前の喧騒を抜けた宮益坂近く。時が経つ事を感じさせない笑顔のおもてなし、採れたての魚料理と数十種類にのぼる日本酒が自慢です。
東京都渋谷区渋谷1-6-7 ICIビルB1F 03-5774-0595 詳細は、コチラ

forecast_070720_04.jpg

斉藤 巧一郎(Kouichiro Saito)
1968年鹿児島県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。広告写真スタジオ勤務の後、フリーランスに。現在、広告写真を中心に、雑誌、新聞等で撮影に携わる。人物写真、料理写真、広告物が中心。
ARCHIVES
→2008.03
→2008.02
→2008.01
→2007.12
→2007.09
→2007.08
→2007.07
→2007.06
→2007.05
→2007.04


→メイン
PAGE TOP
VANTAN FOOD CREATION サイトマップ お問合わせ NON-GRID
copyright