
日本の台所「築地」。雑誌やテレビのグルメ特集では、必ず登場する街の1つですよね。鮮魚、塩干魚、乾物、雑穀、海産物、精肉・・・と、あらゆる食材の宝庫であり、その食材を使った新鮮でおいしい食べ物屋が揃うグルメタウン。さらに、築地の市場は、食材だけでなく道具屋や本屋などもあり、食に関することなら全て手に入る食の総合市場。食の流通が一目でわかり、あらゆる食材を目にできる。築地はまさに「見て・聞いて・味わえる」食育スポットなのです!実際、食育基本法に賛同し、市場の組合による「かつお節削り体験」や「玉子焼体験」など、親子で楽しめる食育イベントもたくさん行われています。
そんな築地から、今回レポートするのは「玉子焼」。寿司やおせちといった伝統料理から普段のお弁当まで、あらゆるシーンに登場する「玉子焼」は、日本の食卓に欠かせない料理の1つ。でも、魚河岸でなぜ玉子焼?・・・実は、ここ築地にはなんと10件の玉子焼専門店が存在するのです!築地と玉子焼にはいったいどんな関係があるのでしょうか?築地「松露」(創業1946年の老舗)の社長 齋藤さんに伺いました。

◎築地には、なぜ玉子焼屋が多くあるのですか?
齋藤社長)築地にある玉子焼屋のほとんどが、もともとは寿司屋。松露も寿司屋から始まった店です。魚河岸である築地には、昔から寿司屋がたくさんありました。戦前までは、各々の寿司屋で玉子焼きを作っていたのですが、手間がかかって、技術がいる玉子焼は、だんだん作られなくなった。それで、寿司屋や料亭で働く職人さん、プロを相手にした「玉子焼屋」という商売が確立したのです。寿司屋がたくさんある築地ならではの商売なのかもしれませんね。
◎築地の玉子焼きの特徴を教えてください。
齋藤社長)今築地には10軒の卵焼き屋があり、それぞれ味が異なります。ただ、どこに共通するのも「寿司屋の味」「プロの味」であること。江戸前寿司の玉子ですから、「江戸前の玉子焼」でしょうか。比較的甘みの強いものが多いですね。
ちなみに松露の玉子焼きは、ダシを多めにした濃い味。何もつけないでそのまま食べてもらえるような味にしています。甘さ控えめは珍しく、うちの特徴かもしれません。築地を訪れたら、是非全部のお店を食べ比べてみてほしいですね。味の良し悪しを決めるのは、お客様ですから。
◎1日でどれくらいの卵を使うのでしょうか?
齋藤社長)だいたいうちでは、1日に2万個以上の卵を使います。キロにして1t以上でしょうか。普通サイズの玉子焼を1本作るのに10個の卵を使うので、大小あわせて3000本ほどを1日に作ります。
◎玉子焼を上手に作る上で、ポイントとなるところを教えてください。
齋藤社長)玉子焼は「なべ」が命!熱が入ることで旨みがでますから、なべの温度が重要です。それは、全ての玉子料理に共通すること。厚手のなべでゆっくりと熱を通していくのが上手に焼くコツ。専門店では合金の特注のなべを使います。家庭用とは全然重さも厚みも違いますよ。もちろん、ダシと卵の割合も大切。これは企業ヒミツですけどね 笑。
家庭でお店と同じような玉子焼作るのは難しいです。でも、ポイントの1つになるのは卵を返すときに思い切ってやること。くずれるのを怖がってしまう人もいるのですが、意外とくずれないものなんですよ。
◎玉子焼はなぜ「巻く」のでしょうか?
齋藤社長)「なぜ巻くの?」というのは、すごく難しい質問ですね。そもそものルーツというのは、私もよくわかりませんが、日本にしかない料理です。オムレツやスクランブル、目玉焼は他の国でもありますが、玉子焼は日本だけですから。
その由来は正確にわかりませんが、玉子焼にとって「巻き」は重要なポイントであることは確かです。巻きの数によって、玉子焼の味わいが変わります。卵は焼き目のついたところに味が出る。なので、巻きが多ければ多いほど味は濃くなります。水分が飛び、パリっとしますから歯ざわりもいいのではないでしょうか。松露の玉子焼は巻きは少なく5回。程よく水分を残すことで、ふんわりとした食感とダシの旨みを閉じ込めます。また、巻きが少ない方が見た目もきれいです。
そこは好みですね。玉子焼は家庭料理の1つ。家庭ごとの味があっていいと思います。いろいろと試してみてはいかがでしょうか?
玉子焼専門店 つきぢ松露
〒104-0045 東京都中央区築地 4-13-13
TEL : 03-3543-0582
http://www.shouro.co.jp/top/2.html
松露では、毎週土曜日に玉子焼教室を開催。(詳しくはお店のHPを!)
大人から子ども、外人さんまでどんな人でも体験可!お店の職人さんが丁寧に教えてくれます。
|