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Vol.12 菓子プロデュース 居山哲也さん

ある雑誌をきっかけに、プロデューサーという職種に触れるようになった居山さん。
実家が営む老舗和菓子屋の跡取りとして必要なことは何なのか。和菓子離れが進む現代を盛り上げていきたいと、自ら和菓子の魅力を提案するプロデューサーに挑戦中。
彼が伝えたいメッセージ “もっといろんな人に和菓子の魅力を知ってもらいたい”
それにはどんな方法があるのか、日々勉強の毎日という居山哲也さんを紹介します。


折形デザイン研究所との出会い
誠文堂新光社からでている“デザインノート”
あるページに釘付けになりました。和をモチーフにグラフィックデザインをほどこした作品。昔から日本に伝わる折形の世界、伝統にデザインのセンスを取り入れた活動は、世界が注目するデザイン研究所です。
そんな彼らの作品を目にし、同じ和ものである和菓子で何かできないか、そう思ったのです。
そこで、折形デザイン研究所のワークショップに参加しました。
その際に、代表の山口信博氏に声を掛けたところ、後日折形での講座で和菓子のお話をさせてもらうことができました。
山口氏はとても魅力的で、自分の話をうなずきながら聞いて下さいました。そして「和菓子で何かやろう」というのです。すごくうれしかったですね。
それからは、いくつもの企画を提出しました。でもその多くは採用までいけず、何度も練り直すという作業が続きました。
居山 哲也さん

作ることは嫌いです
和菓子を作る職人には、興味がありませんでした。というより、作ること自体あまり興味がなかった。
だからこそ、あとを継ぐとなったときに、まず作るという作業に慣れてみようとレコールバンタンに入学しました。
でもやっぱり企画を練る方に興味が向くのですね。ある授業で企業とコラボレーションするというものがありました。
内容を考え、企業にアプローチ、プレゼンテーションなどを行います。その内容は、炊飯器を使ったフルコースメニュー。
大手電機メーカー協力のもと、前菜からデザートまで炊飯器を使用したフルコースを提案しました。
この時の経験が、いま活かされていると感じています。
誰かにプレゼンテーションし、自分の考えを聞いてもらうことの面白さは今も変わらず楽しい。
そして、スタッフの特徴をとらえ一番向いている仕事を振り分ける、そんなこともこの企画を進める上で勉強になりました。


授業で企業とコラボレーション1 授業で企業とコラボレーション2


作品にこめたストーリー
こうして、今までの経験と折形デザイン研究所との出会いにより、ようやく作品が商品化されます。
「和三盆干菓子〜三かく四かく〜」三角形と四角形が一つになった独特の立方八面体をしたお干菓子。
干菓子とは、和三盆糖で作られる和菓子の中の一品。模様の掘り込まれた木型で打ち出す、伝統を守った貴重な和菓子です。
職人技がひかるこの菓子は、まろやかで柔らかい風味が特徴。
この特徴を際立てるのが立方八面体という形で、干菓子の柔らかさに不思議な口あたりを加えます。
この作品を考えるのに、ストーリーを込めました。様々な背景やライフスタイルがある世界、それぞれがどのようなシチュエーションでこの干菓子を登場させるのか…
職人が最高の干菓子を作る、自分はそれにどんな付加価値をつけることが出来るか、それがプロデューサーとしての仕事だと考えています。

使う人を育てよう
よく、自分は和菓子屋らしくないと言われます。みなさん和菓子屋にはどんなイメージを持たれているのでしょうか。
にしても、らしくないといわれると何だかうれしい、それが和菓子の真骨頂を自分自身で見せられているんだったらいいですね。
そんな自分にとってアイデアの引き出しとなるのは都内にいること。会う人・モノすべてに刺激がある、歩いているだけで知らないことが次々に目や耳に入ってくるのです。
そこから生まれたアイデアで、和を使う人を育てていきたいと思っています。
和の世界を変えていこうというものではありません。今の時代に和ものが残っているというのは、使う人がいるからこそ。
その使う人がもっと増えれば、和ものを使用する人が増えます。様々な角度で新しい和の提案することが、今後も和の文化を残すために大切なことだと考えています。


和三盆干菓子〜三かく四かく〜 作品にこめたストーリー


◆Profile
居山 哲也(26)

2005年レコールバンタン入学。卒業後、有限会社いせや本店入社。
現在はさまざまな和菓子を使った取り組みを企画・運営している。



◆One day Schedule
6:30 現場店舗通常業務

8:00 移動

11:00 打合わせ

14:00 打合わせ

15:00 営業、都内菓子店、雑貨店等巡り

19:30 打合わせ、食事会等

22:00 帰省


◆居山さんが働いている会社はコチラ >> 有限会社いせや本店

静岡県沼津市にて昭和8年開業。初代店主から数え、居山哲也さんで四代目に。
創業当時から製作されている、沼津を舞台とする劇中(歌舞伎、人形浄瑠璃等)に登場する人物「平作」(へいさく)にちなんだ「平作最中」が代表銘菓。
また、皇太子殿下御成婚記念公園の中心に造られた「梅園」にて、初めての「観梅茶席」のために考案された記念菓「雪後の春」は皇太子殿下、雅子妃殿下ご献上、明治神宮秋の大祭にも献菓されています。 ※「雪後の春」は、沼津御用邸記念公園のみ限定販売。

有限会社いせや本店 http://www.heisaku.com
折形デザイン研究所 http://origata.com
沼津御用邸記念公園 http://www.city.numazu.shizuoka.jp/kurashi/sisetu/goyotei2/index.htm



Text by Yuri Suzuki
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