感動の最高潮「メイン」
コース料理の主役であるメイン料理の多くは、肉料理です。コース料理は、ワインと共にする場合が多く、また、アミューズ・ブーシュ、前菜・・・と続き、舌も疲れてくるので、インパクトの強いものでなければなりません。そして、前菜で刺激を受けた食欲を充たす物であること。とは言っても、ボリュームだけで充たすのではなく、目、鼻、舌を刺激し、満足させる為の重厚感が必要になります。
そのため、メイン料理には、食材選び、そしてソースとのバランスが重要な鍵となります。
フランス料理の肉と言えば・・・。
フランス料理のメインとなる食材で、最も多く使われるのは「仔羊」です。日本人であれば、牛肉(特に和牛)となると思います。脂の乗った牛肉、脂の少なくさっぱりした味わいの仔羊。どちらも柔らかく、味覚を刺激する食材なのですが、その大きな違いは、「香」です。牛肉を食べる時、香に注意して食べる方はあまりないのではないでしょうか。その点、仔羊は、特徴のある独特な香を持っています。
仔羊にも色々とあり、特に、プレサレと呼ばれる、モン・サン・ミッシェル湾と西コタンタン半島沿いに点在する浜辺の低湿地帯で育ち、年に数回の大潮で水没してしまうその土地で、耐塩製の強い植物しか生えない場所の草を食べて育った仔羊は、潮の香りが独特の風味をもたらす高級食材です。
羊肉には、脂肪を燃焼させる夢のような物質=カルニチンが多量に含まれており、他の食肉と比べ、コレステロールが少なく低脂肪。また 、脂の融点が他の食肉より高いため(44度C)、体温で脂が溶けずに消化されにくい特徴を持っています。
体内のコレステロールを減らしてくれる、不飽和脂肪酸も他の食肉より多く含み、美味しくてヘルシーなとても優れた肉なのです。
春ボジョレーで迎える、ボジョレー・ヌーボー
料理とワイン同様、食材とソースのマリアージュは、フランス料理にとって不可欠なもの。
今回の料理では、メイン食材に選んだ仔羊の香りと柔らかさを十分に引き出す為に、フルーツの甘さ、キャラメリゼしたフルーツの苦味、ワインの渋味のバランスによって生まれる旨味を目、鼻、舌で堪能してもらいたい一皿をつくりました。
ソースのベースにしたのは、2005年の春ボジョレー。春ボジョレーとは、収穫した葡萄を搾り、直ぐに瓶詰めせずに2月〜3月まで樽で寝かせたもの。ボジョレー・ヌーボーよりもバランスの良い仕上がりと言われています。
ボジョレーの解禁は、11月の第3週の木曜日。昨年のボジョレーを懐かしみながら、今年のボジョレーを迎えてみてはいかがでしょうか?ボジョレー・ヌーボーと仔羊とフルーツの「マリアージュ」をお楽しみ下さい。
Text by Daisuke Aono
レコールバンタン講師
青野 大介
講師コメント
今回の料理でこだわった点は香りです。
「日本料理は目で食べる、西洋料理は鼻で食べる」と言われる程で香りを大切にしました。
「仔羊の香り」「フルーツの香り」「キャラメリゼされた香ばしい香り」を損なわないようにバランスよく仕上げ、あとはそれに負けないだけの濃厚なボジョレーを使ったソースにしました。
また見た目も紅葉をイメージした秋らしい色合いでまとめた1皿です。
口に入れたら是非、目を閉じて香りを感じてください。
子羊 2分の1ラック
あみ脂 100g
塩 適量
胡椒 適量
<ソース>
ボジョレーワイン 300CC
バニラビーンズ 2分の1本
ハーブ 適量
フルーツの皮 適量
<ファルス>
ピオーネ 10粒
柿 2分の1個
リンゴ 2分の1個
イチジク 1個
洋ナシ 2分の1個
栗 2個
パルメザンチーズ 大1
砂糖 40g
フォンドボライユ 800CC
バター150g
<デコラション>
プティオニオン 2個
アンディーブ 2分の1個
レモン 4分の1個
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