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ジビエからわかる、ヨーロッパの食文化
近年では日本でも馴染み深い言葉になりつつある、「ジビエ」とは、フレンチに限らず西洋料理において、格別の存在であり、高貴な存在でもあり、一方、食文化を語るものでもあります。野生鳥獣を意味するジビエ。狩猟民族であるヨーロッパ人にとって、古来、鶏や豚などの家畜肉とは一線を画して扱われてきました。例えば中世のフランスでは、捕獲の難しい鶴や孔雀を「勇者の肉」とし、ジビエ料理は儀式に欠かせない料理として珍重されていたといいます。それほど野生動物の命は尊く、特別なもの(天からの恵み)として尊重されてきたのです。
西洋料理とジビエは、ヨーロッパの食文化の両輪ともいえ、鳥獣の香りを生かしたり、風味を増すための様々な保存法・調理の技法を発達させたりして、ジビエの価値・特性を今に伝えてきました。時代の変遷とともに、高級な料理から、一般的な家庭料理へと親しまれるようになりましたが、今でもそのこだわりは強く、種類によっては、現代でも特別なハレの日の“ごちそう”として供されることも少なくありません。


自然の恵、ジビエの魅力
また、ジビエ料理は、とてもヘルシーな食べ物。野生鳥獣は、山でえさを得る為に山を越え、野を駆け…と、とにかく動かなければ生きていけません。その為に余分な脂肪のかわりにしまった筋肉を備えているということになります。それ故、家畜とは違う、野性味のある「クセ」も持ち合わせていますが、分蓄えられた栄養分、鉄分、ミネラルも豊富に含まれています。
例えば、鹿肉は、高たんぱく低脂肪。含まれるたんぱく質は牛肉の二倍で、D反面脂質は牛肉の1/10というデータもあるほどです。HAやリノール酸、鉄分もたっぷりと含まれ、抗がん作用や肥満防止の効果もあります。

「ジビエ」で迎えたい、ハレの日
ごちそうでありながら、栄養価も高く、ヘルシーな料理ジビエ。どこか、日本の伝統食にも通じるところがあるような気がします。例えば、日本人にとって一番身近で、一番大切なハレの日である、お正月。その昔、ごちそうとされ、ライフスタイルの変遷にあわせながらも、現代まで継承されてきた料理、おせちも栄養価に優れ、ヘルシーなものばかりです。
近年、日本の食文化が世界でも注目を集めていますが、どこの国であっても、昔から継承されてきた伝統食というのは、ある意味共通しているのかもしれません。

さて、今回は、ジビエ初心者でも楽しめ、日本のジビエの代表的な食材エゾ鹿を使った1品を、帝国ホテル東京「レ・セゾン」の総料理長、ティエリー・ヴォアザンシェフにご紹介いただきます。ジビエのおいしい季節は、秋から冬にかけて。今の時期、まさに旬なのです。ヨーロッパの食文化を伝える、希少な自然の贈り物を、今年最初のハレの舞台に食してみてはいかがでしょうか。

Text by Eri Kadono


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070110repo_01_03.jpg 製作者
帝国ホテル東京「レ・セゾン」シェフ
ティエリー・ヴォワザン氏
プロフィール
フランス出身。仏シャンパーニュ地方を代表するレストラン「レ・クレイエール」でシェフを務めた後、2005年日本へ。現在、帝国ホテル東京 メインダイニング「レ・セゾン」で総料理長を務める。

帝国ホテルHP
http://www.imperialhotel.co.jp/

シェフのコメント
鹿肉は、ジューシーで、若干くさみを感じる方もいるかと思いますが、調理法や組み合わせ次第では、そのくさみを利用して、より深みのある味わいを表現することができます。
今回は、鹿肉・サルシフィ・金柑という3つの食材のコラボレーション。サルシフィは、揚げ、茹で、ソース、と3種の調理法を使って、3つの形に落とし込みました。金柑は2つの食材をつなぐ役割を果たしています。見た目からも味や、香りが想像できたり、楽しめたりするといいですよね。
「コート・デュローヌ(赤)」や「ボンドル(赤)」などのスパイシーな香りのするワインと合わせてお召し上がり下さい。


エゾ鹿ロース…120g
サルシフィ(西洋ごぼう)…1本

○チャツネ
みかんの絞り汁…75cc
ケレス・ヴィネガー…10cc
金柑甘露煮…100g

○ソース
鹿肉の筋…80g
セロリ…5g
オニオン…20g
人参…20g
にんにく…0.4片
ヴェルジュ…40cc
マリナード…100cc
鹿のダシ…200cc
フォン・ド・ヴォー…100cc
生クリーム…14cc
バター…20g
胡椒…6粒
レッドカラント…6g
チョコレート…適量

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