米の新しいカタチ、「米粉」
農山漁村の減退、伝統的食文化の荒廃、乱れた食生活による生活習慣病の増加・・・。日本人の「食」は今、様々な問題を抱えています。食料自給率における問題は特に深刻で、日本の食料自給率は40%を切るという事態。これは先進国の中で最低の水準です。
その日本で自給率100%の食材。それが、米です。米は古くから日本人の主食であり、豊富な栄養素を持ち、日本人の体質に最も合う食材とされてきました。しかし、食の欧米化にともない、米の消費量は減少。自給率の低下など大きな問題の原因となっています。その中で、今、米の消費拡大を目指し、新たな米のカタチが注目されているのが、「米粉」です。
しっとり、もっちり。米粉の魅力。
「米粉」というと耳慣れなく、新しい食材のように感じますが、団子やせんべい、白玉、大福といった和菓子の材料で、昔からあるとても身近なもの。その技術は奈良時代、遣唐使によって中国からもたらされ、もち米やうるち米(普段食べている米)を原料に上新粉、白玉粉、もち粉、道明寺粉など、様々なカタチに精製されています。
「しっとりもっちり」とした食感が楽しく、甘みがありながら低カロリー(小麦粉に比べ5%以上も低い)で高たんぱく、お腹にたまりやすいところも米粉の魅力です。そして、近年、食の大きなテーマの1つとなっている「食物アレルギー」問題においても、米粉は注目されています。
今や、食物アレルギーを持つ子供の数は15%以上。そのアレルギーの発生源として、卵、牛乳、小麦、そば、落花生の5大アレルゲンが挙げられます。中でも小麦は、麺類、カレー、ギョウザ、蕎麦のつなぎや醤油にも使われているため、小麦アレルギーの子供が食べられる食品はかなり限定され、おやつも、おせんべいや団子、ゼリー、寒天などにしぼられていました。しかし、小麦の代替食品として米粉の使用が証明されて以来、米粉パンに始まり、スポンジやシフォンなど、アレルギーの方が食べられるものにグンと幅がでてきました。
また、私たちの主食である米がかかえる消費量の減少や自給自足への不安、古米・くず米の再利用などの問題解決にも一役かうことになります。
食の楽しみを知ること。それが、食育の一歩です。
「食」をとりまく問題に向き合い、見直す。そして、「食」を通じて心身を育む、「食育」という動きへの注目が高まる中、平成17年、食育基本法が成立され、国、自治体をはじめ多くのメーカーや民間団体が「食育」に取り組みはじめました。
食は生きていくうえでなくてはならないもの。だからこそ、食から楽しみを得、豊かな食生活を送りたいと人々は願います。
子供たちにとって華やかなデコレーションケーキは楽しみの一つ。誕生日やクリスマス、バレンタインデー…、記念日やイベントごとには欠かせない食のアイテムです。そこで、今回は食育メニューとして、日本の主食「米」の力を使ったアレルゲン除去の特製バレンタインケーキを提案します。
Text by Natsuko Kaneko
製作者
スイーツ研究室 金子 菜都子
コメント
今回は子どもに贈るバレンタイン、子どもと一緒に作るバレンタインのケーキを想定に制作しました。
子どもには安心で安全な食材に触れていてほしい、体に良いものを食べさせたい、そんな思いのケーキに仕上げました。
バレンタインだからたんにチョコレートというのではなく、今回の米粉やおからなど栄養や素材を考えたものを子ども達には与えたい、そして健康に育てたい・・・おいしく、楽しく、家庭での「食育」を提案したいと思います。
レシピ
○ココア生地
米粉…80g
おから…120g
ココアパウダー…30g
ベーキングパウダー…4g
豆乳…160g
菜種油…40g
ハチミツ…70g
塩…1g
○チョコレート
クーベルチュールスイート…55g
クーベルチュールブラン…55g
ライスクリスプ…10g×2
アーモンドアッシェ…10g×2
アプリコットジャム…適量
○デコレーション
(アイシング1)
粉糖…200g
オレンジジュース…50g
(アイシング2)
粉糖…150g
卵白…20g
アラザン(ピンク・シルバー)
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