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始まりは、外国人を対象とした
「ボンサイ」販売だった。


盆栽バー「盆さいや」のオーナー藤田さんは、17年前に渡米されていたとき、盆栽の人気を体感し、外国人観光客にむけての盆栽販売を原宿で始めました。
約20年前、アメリカでは「カラテ・キッド(邦題:ベストキッド)」という空手の映画が大ヒットし、その中に登場する日本人、ミヤギ氏が盆栽を栽培していたことから、にわかに盆栽ブームとなりました。その後の和ブームも伴って盆栽の人気は定着し、今では、『ボンサイ』は共通語になっているほどです。
小さな器の中に凝縮された四季、いのちが感じられるというそのスピリチュアルさも外国人に受けている要素のひとつとなっているようです。日本では老人の楽しみの印象が強かった盆栽ですが、現在は若者中心に盆栽を育てる人が増えているそうです。

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「じっくり、ゆっくり」。
盆栽との呼吸が心のゆとりを生む。


「じっくりゆっくり育てていただきたい」という思いから、『盆さいや』では樹木のミニ盆栽を特に扱っています。
「まず一鉢自分で体験していただきたいですね。新芽がでるところ、花が咲く様、じっと寒さに耐えている姿・・・1日のほんの一瞬でも自然と触れ合うことができますし、その意識を持つことで何かを感じることがきっとあるはずです」。
都心での緑少ない、せわしない環境において、緑を育てる時間を持つということ。そこから生まれる心のゆとり。それらは、盆栽が都心の若者に人気を集めているひとつの要因かもしれません。
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異業種とのコラボレーション。
「盆栽」の新たなカタチ。


盆栽好きのメンバー3人を中心に、創作和食屋としてスタートした『盆さいや』。今年の3月で5周年を迎えました。現在は、本業の盆栽販売を営む傍ら、カジュアルバーとして営業しています。飲食業界の競争が激しい恵比寿において5年も続いているのは、「盆栽」という一貫したコンセプトを持ち続けているところにあるのでしょう。
最近では、異業種とコラボレーションしたイベントも行っています。昨年の10月末には乳がんの早期発見を啓発するための運動、『ピンクリボン運動』のイベントも開催されました。イベントではピンクリボンをあしらった盆栽、オリジナルカクテル「pinky」の販売など様々な趣向が凝らされたイベントになり、大盛況でした。今後はフード、ドリンク、音楽、ファッションとの各種コラボレーションイベントを積極に行っていきたいそうです。
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SNSから繋がる、
伝統文化の新たな可能性。


藤田さんにとって盆栽は「ライフワークであり、一生付き合っていくもの」だそう。
「始めたころは盆栽業界がなくなってしまうんじゃないかというぐらい、旧態依然とした業界でしたが、現在では活気がでてきて毎日盆栽の話題には事欠かないくらいになってきました。続けてきてよかったと思う昨今です」。
ソーシャルネットワーキングの「盆さいやコミュニティ」のメンバーも現在では70人にも上ります。

「盆さいや」で盆栽を買い求める20代の若者が増えてきているのも、ソーシャルネットワーキングサイトやイベントなどをきっかけとしてバーへ行き、それまで縁のなかった盆栽に徐々に興味を持ち始めていくから。
日本の風土や気候にフィットし、歴史をダイレクトに表現する盆栽は、世界でも類を見ない四季を持つ日本の豊かな情緒を感じさせてくれます。
自分よりも年上の小さな大木を肴にグラスを傾けるのも醍醐味のひとつ。
日本の伝統的美の新しい広がりを感じました。
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「mixi」などをはじめとする、ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)。その会員数は、日に日に増すばかりで今や399万人を越すという(2005年9月 総務省調べ)。
コミュニケーションを電子化し、社会的ネットワークを形成していくSNSは、IT時代に誕生した新たなコミュニケーションの形といえます。
そうした革新的なものが伝統文化の継承にも役立っていくということに、違和感を覚える部分は多少なりともあります。しかし、自国の文化に目を向ける姿勢とは、どんなかたちであれ大切なこと。
「伝統」×「革新」。その新たな一面を「盆さいや」では見つけられました。


Text by Rie Nakamori
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