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| 毎年九月の第二土曜日になると、パリ12区のLéon Frot通りは多くの人々で賑わいます。“Les vendanges du Château-Charonne”、シャトー・シャロンヌのブドウ収穫祭は、このお祭りが行われるビストロの名をとって、『メラックのブドウ収穫祭』の名で皆に親しまれています。ビストロ・メラックに近づくにつれ、お祭りを楽しむ人々の笑い声や、賑やかな音楽が聞こえてくるので、道に迷うことはありません。 |
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| お店の周りを囲むように長いテーブルが置かれ、多くの人々がワインを飲み、美味しそうなハムやソーセージ、チーズにフランスパンをテーブルに並べて、このお祭りを楽しんでいます。カップルに家族連れや大勢のグループ、その年齢層も子供から大人、お年寄りまで本当に様々です。お店の正面には仮設ステージが設けられ、楽団が賑やかな音楽を奏でてお祭りの雰囲気をさらに盛り上げています。 |
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| 長いテーブルでワインを楽しむ人々 |
楽団の音楽でさらに賑やかに |
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| ビストロの屋根にはブドウのつたが生き生きと生い茂っています。このお祭りに遊びに来た人は、誰でもはしごをのぼって屋根のブドウを摘む事ができます。摘んだブドウはバケツに入れて、すぐ下にある大きな樽の中へ。そのブドウを素足で踏んで、昔風のワイン作りの第一過程を楽しむ主役は、この行事を楽しみにしている子供達です。この樽の中のブドウが数少ないパリ産の赤ワイン、シャトー・シャロンヌの原型となるわけです。 |
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| このメラックのブドウ収穫祭は、今年で26回目を迎えます。地域の顔見知りの人々から、わざわざ遠方から足を運ぶワイン好き・お祭り好きの人々まで、毎年500人近くも集まるパリ恒例の催しです。ビストロ・メラックのオーナー、ジャック・メラック氏は、ムスターシュ(口ひげ)がトレードマークの、一度会ったら忘れられない風貌とキャラクターのムッシュー。彼のお父さんが1920年代にミディ=ピレネー地方のアヴェイロンからパリに登り、このビストロの前身となった“Palais du Bon Vin”(パレ・デュ・ボン・ヴァン)を開いたのは1938年の事でした。 |
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| この時代、ビストロ・メラックのあるシャロンヌ界隈は、印刷業や活版印刷業の会社が軒を連ねていました。それらの会社で働く人々が、仕事の合間や仕事帰りにこのビストロで仲間達とアペリティフやワインを飲んで話に花を咲かせていたそうです。ジャックさんがお父さんの後を継いでこのお店を経営する事になってから、産地直送のハム・ソーセージ・チーズ、特製オムレツなどもメニューに取り入れ、だんだんと地域の人々の食堂的なビストロへと移行していったのです。 |
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1971年にお父さんの故郷のアヴェイロンのボズールから、バコという品種のブドウの苗をパリに持ち帰りお店のカーウ゛に植えました。シャトー・シャロンヌの赤ワインはここから始まったのです。1981年には“La coupe du meilleur pot”(パリのビストロの中で、一番優秀なボジョレ・ヌーヴォーを出す店に与えられる賞)を受賞し、さらに充実したワインを飲めるビストロを目指して、ジャックさんは頑張っています。
BISTROT MELAC
42, rue Léon Frot
75012 Paris |
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パリ12区、シャロンヌ周辺。左岸の気取った雰囲気とはまた違う、全く庶民的なパリの顔が見られる界隈です。このポピュラーかつ人情溢れる界隈で、ジャックさんはお父さんから受け継いだビストロを大切に育ててきました。お店にやって来る人は誰でも笑顔で歓迎し、すぐに肩を並べて楽しいおしゃべりを始めてくれます。そんなジャックさんの人柄と、彼のワインに魅了された人々が集まるこのお祭り、暖かい雰囲気いっぱいの土曜の午後を満喫できました。
Text by Ayumi Yamada |
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