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パリ五区のサン・ミッシェル界隈は、いつも学生や観光客で大賑わいです。手軽に食べれるクスクスやケバブ(トルコ風サンドイッチ)、ピザ屋さんが軒を連ねる辺りから少し足を伸ばして、地下鉄モベール・ムチュアリテ近くまで行くと、目指すビストロ“ル・プレ・ヴェール”の可愛い外観が見えて来ます。昼のメニューは13ユーロという、お手軽な価格設定は、近くに位置する学校やソルボンヌ大学の生徒に大人気。また、近辺には出版社等も多いので、その業界の人々も多く利用しています。夜も26ユーロのメニューで、前菜+メイン+デザートというボリュームたっぷりの美味しいお料理が楽しめます。
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LE PRE VERRE 外観


シェフのフィリップ・ドゥラクルセルさんは、フォーションで五年間修行し、三ツ星シェフ・ベルナール・ロワゾー氏のもとでも働いた経験のある実力者。日本・マレーシア・シンガポールと、アジアで五年間過ごした経験が、彼の料理にスパイスという魔法の素材をもたらすきっかけとなりました。パリ十五区に、レストラン“Clos des Morillons”を開き、サービスを点灯する弟のマークさんと十五年間この店を切り盛りした後、2003年に現在の“ル・プレ・ヴェール”を開店。以来、この店は夜は予約無しでは入れないほどの人気店となりました。木を基調とした暖かみのある店内には、ジャズのレコードジャケットが飾られ、バックミュージックも耳に心地よいジャズやブルースが流れています。

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オーナーのドゥラクルセルさん兄弟


毎日丁寧に書きかえられている、手描きのメニュー黒板から、何をチョイスしようかじっくり悩んだ後、前菜が運ばれて来るのをしばし待ちます。この日選んだのは、“温泉卵(!)とモリーユ(アミガサ茸)のクミン風味”と、“まぐろのたたきのセロリ添え、ゴマ風味”。なるほど、日本料理のアイデアをフレンチスタイルに取り込んだ、何ともオリジナルな品々です。カレーのスパイスでのお馴染みのクミンの風味たっぷりのモリーユ茸と、黄身が中からとろ〜り流れ出す温泉卵のコンビネーションは絶妙。まぐろのたたきに添えられた蜂蜜のソースもごまと抜群の相性です。セロリの歯ごたえとのバランスも素晴らしく、素敵なディナーのプレリュードにぴったりの一皿。

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温泉卵の前菜 まぐろのたたき


前菜ですでに大満足した後、メインのお料理をわくわくしながら待っていると、、、来ました!これがシェフのおススメかつこのレストランで大人気の一皿、“乳のみ子豚のキャベツ添え”です。子豚の肉をシキミ(八角)、コショウ、シナモンのスパイスブイヨンで煮た後、歯ごたえが残るキャベツにのせた、オリジナル料理。信じられないぐらい柔らかいお肉はとろけるようです。このお肉から香るスパイスは口の中いっぱいに広がり、キャベツのシャキシャキ感と合わさって、驚きの美味しさを作り上げています。何度でも食べたい逸品です。もう一皿はお魚のお料理。新鮮なハタをローストし、ソテーしたジロール茸、赤米を添えたお料理には、やはり香り高いスパイスが使われています。どちらもボリュームたっぷりの品ですが、その素材の新鮮さとスパイスの風味が食欲をそそるため、ぺろりと完食!

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乳のみ子豚とキャベツの一皿 ハタのロースト


デザートのメニューにも、他では見られないようなオリジナルな品々があります。ブラックチョコレートのガトーに添えられているのは、糖蜜のアイスクリーム。まろやかな舌触りとコクのある味が後をひくデザートです。ルバーブのコンポートとホワイトチョコレートの一皿も、甘酸っぱさが大変さわやかで、食事の締めくくりにぴったりのスイーツ。これらのデザートにも、もちろんたっぷりとスパイスが使用されています。夜もふけてくると、仕事に一息ついたドゥラクルセルさん兄弟が常連のお客さんと楽しげに会話をかわす姿もしばしば見られます。食後にお会計と共にサービスで出されるスパイスチョコレートで今夜のディナーを終えた瞬間に、次はこのレストランでどんなお料理をいただこうか、とわくわくしてしまう、満足感と次への期待感で胸がいっぱいになってしまう素敵なお店です。

LE PRE VERRE
8, rue Thenard 75005 Paris
www.lepreverre.com
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ブラックチョコレートのデザート ルバーブのコンポート


パリまで「ル・プレ・ヴェール」のお味を楽しみ足を運べない方に朗報です!2007年11月に、表参道と旧渋谷川遊歩道の交差する角地に立地予定の商業施設「GYRE(ジャイル)」内に、同店が日本店としてオープンします。東京でも、フィリップ・ドゥラクルセル氏の、パリと同じオリジナル感覚溢れるフレンチ・スパイスキィジーヌが楽しめるのも間近です。


Text by Ayumi Yamada
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