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ブルックリンはCobble Hill。閑静な住宅街に佇む京風レストラン『Hibino』。オーナーシェフの林さんは弱冠30歳。
「実家が料理屋をやっていましたが、食の世界にはまったく興味がなかった。」と昔を振り返る林さん。しかし、成長するにつれ、料理への興味が芽生え始めます。親元で働くとどうしても甘えがでるため、京都の料亭で修行し、東京へ。当時、東京ではフュージョン料理が流行りだし、雑誌にも多く取り上げられていた時代。東京のNobuに行った際、ラムを湯葉で包んだものや、蓼を使ったソースなど、今までと違う料理のアプローチにおもしろさを感じたといいます。そのフュージョン料理の先駆けであるニューヨークに始めて訪れたのが今から10年前。最初は短期のつもりで来たニューヨークにすっかり馴染んでしまったと言います。「福井県出身なので、京都や東京などの都会への憧れはありました。でも京都も東京も、何かが違った。ニューヨークが一番居心地がいいと感じました。」
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最初は語学留学のため渡米。アルバイトのつもりで始めた「Sushi Samba」では、5年働き、ヘッドシェフまで登りつめました。Sushi Sambaは南米の料理と日本の料理を合わせたフュージョンが売りの人気レストラン。そこで働いたときに知り合った福田さんと、ブルックリンにおばんざいレストラン『Hibino』をオープンすることになります。「自分の店を持つことで、自分好きなことができるということが、一番の魅力。」と林さんは言います。 ny_070720_02.jpg


「Hibino」のコンセプトは、名前の由来でもある「日々の食卓」。日本で私たちが家庭で食べているものを楽しんでもらうこと。そのコンセプトに見合う店舗を探すために約50軒以上もの店舗を見て回ったそうです。ブルックリンでも人気の地区ウイリアムズバーグの物件もありましたが、「家庭的」というコンセプトに合わなく、断念。妥協することなく物件を探し続けて見つけた現在の立地は、家族が多く住むCobble Hillというエリア。コンセプトにぴったりの場所でした。 ny_070720_03.jpg


オープンしたのは2007年3月。ニューヨークのメディアには「おばんざい−京都スタイル・タパス」と紹介されるなど、評判も上場です。メニューには私達日本人にも馴染みの深い角煮や揚げ出し豆腐など、親しみやすい料理の他、バラエティー豊かな寿司メニューも並びます。「できれば、寿司を出すことはやりたくなかった。だけど、寿司はニューヨークの日本食ビジネスの中心になっているので、入れないわけにはいかなかった。」しかし、オープンしてみて、注文は寿司に集中せず、すべての料理が万遍なく売れているそうです。「Sushi Samba」では、鯖や鰆など馴染みのないネタを注文する人は滅多にいなかったそうですが、Hibinoに来るお客さんは、何にでもチャレンジする懐があるようです。「自分がおいしいと思うものを媚びずに出したい。だからアメリカ人に向けて味を変えることはしていません。それが逆にお客さんから良い反応を頂いている証拠だと思います。」 ny_070720_04.jpg


ニューヨークにある日本食レストランで、普段私たちの食卓にならぶような料理を出しているお店はまだ多くありません。「お客様に日々来て欲しい」という思いから、レストランを「Hibino」と名付けた、という思いからも伝わるように家庭的な雰囲気に包まれています。これからもCobble Hillsの住民の普段使いのレストランとして愛されていくことでしょう。 ny_070720_05.jpg


Hibino
333 Henry Street
Brooklyn, NY 11201
USA
718-260-8052
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Text by Rie Tange
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