ユニバーサルデザインと北欧モダン
厳しい環境にいるからこそ、人々が助け合い、互いを思いやる、そんな環境が生み出した『人に優しいデザイン』それが北欧モダンの根底であり、ユニバーサルデザインの考えでもあるといえます。
そもそもユニバーサルデザインとは、誰にとっても、あらゆる観点からすぐれたものを指します。しかし、世の中の認識としては“バリアフリー”と混合しているところがないでしょうか。非健常者など、ハンディキャップのある人に使いやすいものと思われていることが多いと思います。
北欧では老若男女、健常・非健常者の誰もが受け入れやすく、なおかつそれぞれのニーズを満たすものという考え方で、1950年代からずっと設計されています。こうして生まれてきた数々の作品は、現在日本でも当たり前のように使われている“テトラパック”から、誰にでも使いやすく、なおかつ美的にすぐれたカトラリーまで、今も昔もデザイナーのアイデアから、多くのものが世の中の人をつなぐライフスタイルに浸透しています。
子どもと北欧モダン ここ最近、食育というフレーズが一般的になった日本。このフレーズが、実際の子どもたちに影響を与えるようになっているのでしょうか?成功はまだ一部の話、多くの子どもたちに豊かなライフスタイルを与えているとは、言い切れないというのが現状です。
1950年代〜1960年代の北欧では、デザインという観点から「子ども」「子どもと大人」「学校や家庭」のユーザーに向けて、質の高い生活用品が次々と生み出されていきました。日本の食環境が、北欧モダンから学ぶべきことについて、宇都宮美術館主任学芸員 橋本優子氏はこう述べています。
『「食」の観点から「子どものためのデザイン」を再考し、新旧の北欧モダンに学ぶことは、未だに新鮮かつ有効といえる』そう、今から50年・60年昔のデザインでも、現代に愛用されている北欧デザイナーの作品。それは機能的で美しく、素材が身体的・精神的に及ぼす影響が大きいことを示していると考えられます。日本人のライフスタイルに欠けているもの、欲しているものを北欧デザインが持っている、だからこそ今日本で注目を集めているのではないでしょうか。誰のために作る作品なのか、そこからデザインを考えることこそ、ユニバーサルデザインの始まりです。日本の食育は、デザインの観点からもよりよい方向に進めていくことができるのではないでしょうか。
スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド…北欧といわれるこれらの国々は、インテリアやエスプレッソ、テキスタイルで有名です。そんな北欧は、冬にオーロラが見られるほど寒い国。厳しい自然が北欧の人々に与えたもの、それは“助け合う心”と“生活を楽しく過す工夫”です。
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